12月2014

ため息

きままな読書

沈みゆく大国 アメリカ

アメリカもここまで来たのかと、思わずつぶやいてしまいました。堤さんの著書は、以前にもここで紹介したことがあります。「(株)貧困大国アメリカ」では、株式会社に売り渡した食と農業と教育とが、いかなる荒廃をもたらしているかを豊富な資料とともに示していました。
今回の「沈みゆく大国 アメリカ」では、ついに命までも商品にしてしまう「不思議な国 アメリカ」が描かれています。
アメリカは、本当に不思議な国と思います。民主主義のリーダと自他共に認めている(と思っている)国で、なぜこんな理不尽なことができるのでしょう。なぜ人々は、こんな不安定な社会を許しているのでしょう。

詳細は、本書を読んでもらうとして、以下は、本書を含むいろいろな情報から読み取り描いた恐ろしいまでの姿です。

沈みゆく大国 アメリカ これまで、オバマケアに対する理解は、次のようなものでした。低所得者・無保険加入者を救う皆健康保険であり、リベラルな民主党だからできる施策である。これに対し、自己責任論を展開して負担増を嫌う白人保守派の共和党が導入反対を主張して抵抗している。
現実は、もっと複雑で危険な要素が満載のようです。この政策の恩恵を受けるのは誰なのか? TBTF(Too Big To Fail=大きすぎてつぶせない)とは何なのか?

信じがたいことですが、アメリカでは薬価決定に政府が介入できないらしい。その結果、薬価は青天井で、1錠$1,000(約10万円)12週で$84,000(約840万円)もの薬が保険適用薬として登録されてることもあるようです。これは、患者のみならず政府の負担も膨大になることを示しています。政府の負担は、国民の負担であることに注意が必要です。寡占化した製薬会社は、何の心配も無く価格を決められるし、保険会社は、より多くこの薬を使い政府から金を引き出そうとします。

どこかの国でもよく言われる、「規制緩和、競争強化そしてコストカット」この結果が、ここにあります。農業をつぶし、食をうばい、教育を破壊しそしてついに医療をつぶそうとしている、これを政府が後押ししているように見える国、アメリカとは本当に不思議な国です。
政府の施策を企業出身者が作り、それを手土産にまた企業に戻ることが普通に行われている国で、国民に対する施策が生まれてくるとは思えません。出てくるのは、消費者に対する施策です。国民を消費者とみる国は恐ろしい国です。ここに民主主義はあるのでしょうか。

民主主義は、資本主義に屈したのでしょうか? 資本とは何でしょうか? どうしてここまで強欲なのでしょうか?
素人として思うに株式会社がもつ宿命と思います。株主は、常により多くのリターンを要求する。つまり、株式会社は、常に成長しなければならない宿命を持つ、成長するためには市場がいる。市場が無ければ作り出そうとする。国内では、あの手この手で99%の国民から利益を吸い上げようとする。国内市場が枯渇すると、海外に出る。TPPがそのための道具であることは、よく知られています。

日本の国民皆保険制度は、効率的でしかも有意な効果を出していると世界から賞賛されるシステムといわれています。世界最高水準の長寿国であることがその有効性を証明しています。「個人破産の半数以上が医療破産」、「がん治療薬は自己負担、安楽死薬なら保険適用」の国と比べるまでもありません。この日本国民の財産を、アメリカの「グローバル企業」に差し出してはならないと強く思います。

悪い夢であって欲しいですね。とにかく、立ち読みでも良いので一度手に取ることをおすすめします。

忘年会・・・・仕事納め

いろいろ

今年最後の忘年会。
12月に入ってから5回目の忘年会参加となります。
鍋を突っつきながらの会話は、他愛のないものでも楽しく、何故か飲み物食べ物が美酒、美味に変わります。
DSC03607_01今年もいろいろな方と出会うことができました。ありがたいことと感謝しています。

宴会が終わり外に出ると街は、華やかで喧噪の昨日から落ち着いて静かに変わっていました。人々は、コートの襟を立て無言で足早に歩いて行きます。家路に急ぐのでしょう。底冷えのする宵でした。

DSC03549_01もう、今年一年が過ぎようとしています。早いですね。
時よそんなに急がないでほしいと言いたいです。恒例のイルミネーションも寒々と見えてしまいます。

時には『芸術』も ・・・第九を聞く

オーディオ

今年も残りわずか、暮れも押し迫ってきました。この時期になると何故か聞こえてくる「第九 歓喜の歌」と言うことで演奏会に行ってきました。IMG_01

パンフレット表紙には出ていませんが、ソリスト4名はいずれも国立音楽大学出、約160名の合唱は、立川市民第九合唱団としてこの演奏会のために公募され組織されたとあります。
十分堪能してきましたが、第九は70分を超える大作なので通しで演奏されると集中力の継続は難しいです。途中幾つか抜け落ちてしまっています。それでも、大迫力の第四楽章はしっかり聞いてきました。
堪能はしたのですが、疲れを感じるようにもなってしまいました。交響曲はきついので、これからは小品を中心に楽しみたいと思います。

話題を変えて
ここしばらく、オーディオ関係にはご無沙汰しています。工作に集中する時間が無いのです。それでも、今話題のハイレゾを導入してあれこれいじっています。

ハイレゾと言う言葉自体は、一部の愛好家のものから一般化してきているようです。22日の朝日新聞にも出ていましたが、高音質音源のニーズは拡大しているし、インターネット経由でダウンロードする販売形態は、ネット社会とも上手く整合しているようです。DSC03599_01

導入したのは、96kHZ/32ビットDACでDSD対応でも有ります。このスペックは、今時では入門機のそれですが当方のチープなシステムと駄耳には、十分です。
まだ使い込んではいないためか、音が堅い感じですが、エージングが進めばなめらかになると期待しているところです。とにかく、高音質の片鱗は窺えるので期待は大きいです。

[ハイレゾ音源;ハイレゾリューション(高解像度音源)のこと。現行のCD規格(=44.1kHz/16ビット)を超えてアナログ音源をデジタル化した音源。人間の耳では聞こえない範囲までが含まれている。より自然に聞こえると言われている。]