一枚の写真
何の変哲もない写真ですが、深い思いのこもった写真の一枚です。
探し物をしていたら、偶然この写真が出てきました。今年もまた受験の季節に入ろうとしているときに目にするのも何かの縁を感じます。
この写真の時は、もう少し下って4月の下旬のころ大学の新歓(新入生歓迎)行事の中で友人が撮ってくれたものです。
まだまだクラブ・サークルの勧誘が盛んにおこなわれていた土曜日、フォークダンス同好会の歓迎パーティに出席し汗をかいた後に芝生で休んでいるところです。
北国の春は遅く、この頃さくらが満開でした。心地よく火照った体を投げ出し思い切り伸びをしたその先は、どこまでも青く澄んでいました。柔らかな光は暖かく、そよ吹く風は優しく、鳥の声も何もかもが、ただただ自然でした。
この地での生活、何もかもが新鮮で、毎日毎日が楽しい発見でワクワクしていました。
時間はたっぷりあり、何の束縛もなくすべてに解放され自由でした。未来はこの手の中にあり、何の憂いも無い18歳の時でした。
モノクロのセピア色になりかけた一枚の写真ですが、あの時の光も、色も、匂いまでも少しも変わらずに再現します。
2014年1月27日