ひかりかがやく未来を
(株)貧困大国アメリカ 堤 未果
いつもながら、緻密な取材と膨大な資料に裏打ちされていて説得力ある仕上がりになっています。ここでは、内容について触れるつもりはありません。是非とも実際に購入して読んでほしいとおもいます。
アメリカが変な国だと思ったのは、著作権の延長問題からでした。知財権に関わっていたころに「ミッキーマウス保護法(*)」と揶揄される法律を成立させて、それを他国にゴリ押しするアメリカを知ったときでした。ディズニーのために国の法律を変えるって何なの?という疑問がありました。
ここに書かれていることがアメリカ国内にとどまっていれば問題は小さいのですが、そうはいかずにグローバル・スタンダードの名の元に全世界を巻き込もうとしていることに危惧の念を抱きます。
この本の中では、ほとんど触れられていませんが金融はアメリカが最も得意とするところです。巷でよく言われる「日本人が営々として築いてきた1000兆円を超える個人資産(郵貯・簡保、健保、年金その他の個人資産)が最終ターゲットである」との議論がにわかに現実のものと思われてきます。TPPは農業問題ではないのです。
1%vs99%が出てきます。これは「99%に属する方は、いつ最底辺に落ち込んでもおかしくない不安定な社会」のことを言っていると解釈しました。自分は大丈夫だと思っている貴方、本当なのでしょうか? あなたの子供に明るい未来を残せるのでしょうか? 今、よく考えた方が良いと思います。分厚く安定した中間層が支えた、偉大で寛大な理想郷アメリカは最早過去にしか存在しないようです。
解決法は、簡単で「工場生産の鶏肉、豚肉」「GM食物」「・・・」にノーと一人一人が行動するだけで済むと思います。なぜなら企業なので売れない(=もうけにならない)と知れば絶対に変わります。でも連帯してノーは、難しいのでしょうね。「合法的に」分断を仕掛けてくるので・・。でも、あきらめるわけにいきません。
(*)ネットで検索すれば多数にヒットします。適当に取捨選択してください。
2013年10月30日